リフォームで壁を作る費用と工期の実例など

著者:株式会社アイライフホーム

「今ある部屋を分けたい」「子供部屋をつくりたい」「リビングにSOHOスペースを追加したい」など、暮らしの変化に合わせて空間を見直したいと考える方が増えています。一方で、「工事費用がどのくらいかかるのか」「どんな施工方法が自宅に合うのか」「間取りや天井、コンセントの位置はどうなるのか」といった不安を抱えて踏み切れない方も少なくありません。

国土交通省のリフォーム市場統計データによれば、リフォーム件数のうち約22%が「間仕切りや壁の造作」といった空間の再構成を目的としたもので、特にマンションや一戸建て住宅における子供部屋や在宅ワーク対応の需要が伸びています。

この記事では、プロ監修のもと、部屋に壁を設置する工事の費用相場から工期、DIYと業者依頼の比較、防音や設置方法、注意点まで網羅的に解説します。読み進めれば、「自分にとって最適な壁の作り方」が分かり、見積もり前の不安が驚くほどスッキリするはずです。

 

リフォームで「壁を作る」とは?間仕切り工事の基本と目的を押さえる

壁を作るリフォームが必要になる典型的なライフステージとは

暮らしの中で空間の使い方を見直すタイミングは、誰にでも訪れます。特に家族構成やライフスタイルの変化は、壁を作るリフォームを考える大きなきっかけになります。壁の新設は、住まいの機能性を高めるだけでなく、暮らしの質を向上させる重要な手段のひとつです。

たとえば、お子さまの成長に伴ってプライベートな空間を確保したいというニーズは非常に一般的です。幼少期は兄弟姉妹で1部屋を共有していても、小学校高学年〜中学生頃になると「自分の部屋がほしい」「集中して勉強したい」といった要望が出てきます。こうした場合、「子供部屋の仕切り壁」や「間仕切りリフォーム」が選ばれます。

近年では、テレワークの普及により自宅での業務環境を整える必要性が高まっています。リビングや寝室の一角を仕切って、ワークスペースやミーティングルームとして活用するリフォームも増えており、壁を追加することで集中力を高める空間が確保できます。

高齢のご家族との同居が始まった場合も、リフォームで壁を設けるニーズは高まります。バリアフリーや安全性を重視しながら、生活リズムの異なる家族それぞれの空間を分けることが可能になります。特に寝室を分割することで、介護や夜間の見守りにも対応できる安心な住空間が実現します。

また、ペットとの共生にも壁は有効です。犬や猫などのペットの行動範囲を制限したり、来客時の飛び出しを防いだりするために、ペット用スペースを壁で仕切る例が増えています。脱臭や防音対策として機能する壁の設置は、飼い主にとってもペットにとっても快適な暮らしを叶える手段です。

以下に、ライフステージごとの壁の必要性をまとめた表を示します。

ライフステージ 壁設置の主な目的 具体例
子どもの成長 プライバシー確保、防音対策 子供部屋を2部屋に分割
テレワークの導入 ワークスペースの確保、集中できる環境 リビング内に個室空間を新設
高齢者との同居 安全性の確保、生活リズムの調整 寝室の分割、介護スペースの確保
ペットとの暮らし 飼育スペースの確保、衛生・安全管理 ペット専用ルームや仕切り壁の設置
来客・二世帯対応 空間の明確化、ライフスタイルの違いへの対応 ゲストルームの新設、2世帯分離の間取り

 

壁の種類と施工方法の基本知識(固定式 可動式 建具あり)

壁を作るリフォームといっても、方法や種類によって特徴や費用、施工期間は大きく異なります。部屋の用途や施工条件に応じて最適な壁を選ぶことが、満足度の高いリフォームにつながります。ここでは、主に「固定式間仕切り」「可動式間仕切り」「建具付き間仕切り」の3タイプについて、特徴と施工方法をわかりやすく解説します。

まず「固定式間仕切り」は、石膏ボードと下地材を使って壁を造作する一般的な方法です。施工には数日を要しますが、遮音性や断熱性に優れ、美観にも優れた仕上がりが期待できます。ドアやコンセントを新たに設けることも可能で、完全な個室としての機能を持たせることができます。リビングの一角を寝室や書斎として分割する際にもよく使われます。ただし、撤去には工事が必要となるため、将来の間取り変更を視野に入れて慎重に検討する必要があります。

一方、「可動式間仕切り」は、レール付きパネルや折りたたみ式のパーテーションを用いて空間を仕切る方法です。DIYでも設置可能で、工期も短く、費用も比較的安価です。用途としては、一時的な空間分離やレイアウト変更を頻繁に行う部屋に適しています。たとえば、ニトリなどの市販の間仕切り家具を使えば、リビングを仕切ってSOHO空間をつくるといった柔軟な活用が可能です。ただし、防音性や遮熱性には限界があり、完全な個室を求める方には不向きです。

「建具付き間仕切り壁」は、引き戸や開き戸を組み込んだ造作壁で、利便性と機能性を両立できるのが特徴です。開閉できることで通風・採光を確保しながら空間を仕切れるため、家族の共用スペースと個室をスマートに分けることができます。廊下に面した個室や、収納を仕切るためのスペースなど、生活動線に配慮した空間設計が可能になります。

以下に、壁の種類ごとの特徴を比較した表をまとめます。

種類 特徴 防音性 費用の目安 工期 適した空間
固定式間仕切り 造作壁。美観・遮音性が高く、設備の追加も可能 13〜30万円 2〜5日 書斎、寝室、子供部屋など
可動式間仕切り DIY対応。費用と工期を抑えられるが、防音性はやや劣る 2〜10万円 半日〜1日 リビング、ワークスペース、一時的な仕切り空間
建具付き間仕切り壁 引き戸やドア付きで機能性と通気性に優れる。利便性が高い 20〜40万円 3〜6日 廊下に面した個室、収納スペース、客間など

 

DIYで壁を作る方法とリスク

DIYで使える材料と道具一覧 ラブリコ・ディアウォール活用術

まずDIYで壁を作る際に用意すべき主な材料と道具を下記の表で整理します。

分類 名称 用途 備考
支柱材料 2×4木材 垂直の支柱を形成する ホームセンターでカット可
固定金具 ラブリコ/ディアウォール 天井と床で木材を固定する 工具不要の人気商品
面材 石膏ボードまたは合板 壁面を形成する 石膏ボードは防火性高い
仕上げ材 クロス/塗装材 壁面の仕上げ デザイン性も左右
道具類 電動ドライバー ビスの固定 DIYで必須
道具類 ノコギリ(またはジグソー) 木材のカット 精密な作業に
道具類 メジャー/水平器 測定・傾き確認 精度の高い施工に不可欠
その他 コンセント延長コード 既存設備との調整 電気工事不要で安全

ラブリコやディアウォールは、天井と床を突っ張り棒のように支えることで壁を固定するため、賃貸住宅や壁に傷をつけたくない家庭にも非常に人気です。どちらも専用工具が不要で、2×4材さえあれば誰でも設置できるという手軽さがあります。ただし、床と天井の間の高さが一定であること、そして平坦であることが前提条件となるため、古い家や傾きがある物件では注意が必要です。

また、クロスや塗装などの仕上げにも配慮が必要です。最近では、「防音クロス」や「消臭機能付き壁紙」など、機能性素材も数多く登場しており、DIYであっても高性能な壁を作ることが可能です。これらを利用することで、子供部屋の仕切りやリビングの間仕切りにも十分対応できます。

電気の配線や仕上げ材の選定にも気を配る必要があります。配線が通る位置を事前に確認し、場合によっては延長コードやワイヤレスの照明などで代替することで、安全性と利便性を確保することができます。

 

作業手順と施工動画の紹介 自分でできる簡易壁の作り方

まずは、基本的な作業工程を整理します。

  1. 部屋の間取りと目的の確認(仕切りたい場所、目的の明確化)
  2. 天井と床の高さ測定(誤差はミリ単位で調整)
  3. 2×4木材のカット(設置高さに応じてカスタマイズ)
  4. ラブリコ・ディアウォールの取り付け(支柱に装着)
  5. 支柱の仮固定と水平器での確認
  6. 面材(石膏ボード、コンパネなど)のビス止め
  7. クロス・塗装などの仕上げ
  8. コンセントカバー・棚などの追加設置(必要に応じて)

特に石膏ボードを使う場合には、防火・防音性能が確保できるうえ、仕上げもしやすいため初心者にもおすすめです。一方で、重量があるため、支柱の強度や固定方法には細心の注意が必要です。

近年では、YouTubeなどで「ラブリコ 壁 DIY」「ディアウォール 壁 作り方」などのキーワードで検索すると、多くの施工動画が見つかります。視覚的に手順を確認できるため、文章や図だけでは理解しづらい箇所も明確にイメージできます。

費用面では、DIYにかかるコストを事前に把握しておくことも重要です。

項目 相場価格(概算) 備考
2×4木材(1本) 400〜800円 長さにより異なる
ラブリコ/ディアウォール(1セット) 1,000〜1,500円 色・仕様により異なる
石膏ボード(1枚) 500〜1,200円 防火性のある厚手を推奨
クロス(1m) 300〜800円 防臭・防音機能あり
道具代(初期) 3,000〜5,000円 一度揃えれば長期使用可能

全体の材料費は、施工範囲にもよりますが、簡易的な仕切り壁1枚であればおおよそ10,000〜15,000円ほどで完成できます。これは施工業者に依頼する場合と比べて大幅にコストを抑えられる一方で、強度やデザイン面での妥協も必要になる点は認識しておく必要があります。

また、注意すべきは賃貸住宅における原状回復義務です。原則として退去時に元通りに戻す必要があるため、天井や床に傷をつけない設置が求められます。ラブリコやディアウォールはこの点でも非常に優れた選択肢ですが、仕上げや設置場所によっては跡が残る可能性もあるため、フロア保護マットやクッション材なども併用しましょう。

 

マンション・賃貸で壁を作る場合の注意点!

管理会社・組合への届け出と許可取得の流れ

マンションや賃貸物件において壁を新設する際には、自由に施工できる一戸建てとは異なり、管理規約や契約条項に基づいた対応が必要です。無断で工事を進めた場合、原状回復義務が発生するだけでなく、近隣住民や管理組合とのトラブルにも発展しかねません。まずは「届け出・許可取得」というプロセスをしっかり理解することが大切です。

分譲マンションの場合、各住戸は専有部分として所有されますが、床・壁・天井の構造部分やサッシ、配管などは「共用部分」とみなされていることが多く、勝手な改造は制限されています。たとえば、壁の新設で天井や床のコンクリートに穴を開けるような施工が伴う場合、それが共用部分にあたると判断される可能性があります。このような改修は、管理組合の「理事会決議」や「総会決議」が必要になることもあるため、事前に確認が必須です。

賃貸物件では、原則として構造や内装の変更は契約上禁止されているケースがほとんどです。しかし、近年では「原状回復可能なDIYリフォーム」や「管理会社の許可を得た改修」が容認されつつあります。ディアウォールやラブリコといった突っ張り型の間仕切り材を使用することで、壁を設けても建物を傷つけずに撤去できるため、許可が得やすいという傾向も見られます。

以下は、マンション・賃貸物件で壁を設置する場合の許可取得の基本的な流れです。

ステップ 内容 注意点
管理規約の確認 所有者・居住者が守るべきルールを確認する 「構造に関わる改修不可」などの制限を把握する
管理会社・大家へ相談 事前に電話や書面で問い合わせる 内容を明確に伝え、書面化できるとベター
図面・施工内容の提出 壁の位置・サイズ・素材・施工方法などをまとめて提出 可視化することで理解を得やすくなる
管理組合・大家の承諾取得 理事会または所有者からの書面承諾を得る 書面による合意がトラブル防止に有効
工事日程と時間帯の共有 工事に伴う騒音や出入りについて近隣住民に配慮し通知する 特にマンションでは掲示板への掲示や口頭説明が有効
完了報告・確認 工事完了後に報告を行い、承諾内容に沿って施工されているか確認 写真や書類で残すことで後のトラブル回避につながる

なお、マンションの構造によっては「二重天井・二重床」などで施工が容易な場合もあれば、RC構造で配管が床下に通っていて難易度が上がることもあります。配線や換気設備への影響も考慮して、必要に応じて設計士や施工会社への事前相談を行いましょう。

また、住民同士のトラブルを未然に防ぐために、リフォーム工事の予定を掲示板で周知したり、工事期間中はエレベーターや共用廊下の汚損対策も講じておくことが望まれます。特に防音や振動に関してはクレームの原因となりやすく、事前説明と配慮が信頼構築の鍵を握ります。

 

防音・遮音・断熱性能の確保方法

マンションや賃貸物件で壁を新設する際に最も重要視されるのが「音の問題」と「熱環境の変化」です。特に壁で空間を仕切る場合、完全に個室化することで音の反響や外部への音漏れが強調されてしまうケースが多く、防音や遮音対策を施すことが快適な居住環境を保つためのポイントとなります。

まず、防音性能を高めるには、壁の構造と素材選びが重要です。一般的に、壁内部に「グラスウール」「ロックウール」などの吸音材を充填することで、音の伝達を大幅に抑えることができます。これらの素材は吸音性に優れ、外部からの音の侵入や室内の音漏れを防ぐ役割を果たします。また、壁材には「二重構造(ダブルボード)」を採用することで、遮音性能が一層向上します。

下記は、防音・遮音対策に使われる主な素材と特徴です。

素材名 種類 主な効果 注意点
グラスウール 吸音材 音の吸収・反響抑制 防湿対策が必要
ロックウール 吸音材 吸音・断熱性能も高い 比較的高価
石膏ボード(二重) 壁仕上げ材 遮音性の向上 重量が増すため施工強度が必要
吸音パネル 表面吸音材 室内の音反響の抑制 主に室内用。壁内部施工とは異なる
遮音シート 補助材(壁間層に使用) 音の伝達を遮断 材料費が割高になる場合あり

また、断熱性についても考慮する必要があります。壁を新設することで空調の効率が変わり、冬場は寒さが残ったり、夏場は冷房の効きが悪くなるといった問題が発生する可能性があります。断熱材を併用することで、快適な温熱環境を維持することができます。特に北向きの部屋や日当たりの悪い空間を仕切る際には、断熱性を意識した素材選びが重要です。

施工時には、以下のような点に注意しましょう。

  • 防音材や断熱材を設置する際は、壁内の空気層を確保し、密閉度を高める
  • 床や天井との取り合い部分も遮音・断熱処理を施す
  • 壁の厚みが増すことによる通路幅の変化や家具配置への影響を考慮する

さらに、施工後の騒音対策として、ドアや窓の隙間から音が漏れないように「気密テープ」や「防音モール」を使用する方法もあります。既存の設備との干渉を避けるため、電気配線やコンセントの位置にも注意が必要です。

マンションや賃貸では特に、周囲への音漏れに敏感な環境であるため、見た目の美しさだけでなく、性能面での配慮が不可欠です。施工前には必ず現地調査を行い、必要な防音・断熱処置を講じることで、快適でストレスのない空間を手に入れることができます。防音性能を正しく確保することは、自分自身のためだけでなく、近隣住民との良好な関係を築く上でも大きな意味を持つのです。

 

家具 vs 間仕切り壁 vs リフォーム壁!それぞれのメリット・デメリット比較

家具やロールスクリーンでの代用はどこまで可能?

住空間の区切り方として、リフォームによる壁設置以外にも「家具」や「ロールスクリーン」で代用する手段があります。これらの方法は工事不要で手軽に導入できる点が魅力ですが、すべてのニーズを満たせるわけではありません。ここでは、それぞれの代用手段の特徴と可能な用途、注意点について詳しく解説します。

まず、家具による間仕切りは、視線を遮る目的で多く活用されています。本棚やワードローブ、パーテーション家具などが代表的で、部屋の中央に配置するだけで空間を二分できる手軽さが魅力です。特に賃貸物件では、壁の造作が難しいため、移動・撤去が容易な家具が重宝されます。たとえば、子供部屋を分割したい家庭では、収納兼間仕切りとして使える家具が人気です。

一方で、家具には「遮音性」や「断熱性」がほとんど期待できません。また、天井までの高さが確保されないことから、視線は遮れても音や光は簡単に通過します。そのため、プライバシーを確保したい寝室や仕事部屋などには不向きであり、あくまで簡易的な用途にとどまります。

次に、ロールスクリーンは天井から床にかけて布やビニールシートを垂らすタイプの間仕切りです。見た目がすっきりしていてインテリアに馴染みやすく、必要に応じて開閉できる可動性も特徴です。特に、狭いワンルームでキッチンと寝室を分ける場合や、子どものお昼寝スペース確保など、限られた空間で活用されます。

しかし、ロールスクリーンもまた防音・防臭・気密性といった機能性には限界があります。さらに、素材によっては経年劣化や破れ、巻き取り不良が発生するケースもあり、長期的には不向きです。

代用手段の選択において重要なのは「目的の明確化」です。以下に、家具・ロールスクリーン・リフォーム壁の対応可能な用途一覧をまとめました。

目的 家具で対応 ロールスクリーンで対応 リフォーム壁で対応
視線の遮断
音の遮断 ×
臭い・空気の遮断 × ×
デザイン性・美観
空間の柔軟性(開閉可能)
工事不要 ×
賃貸物件での使用 △(条件次第)
ドア・収納・電気の後付け対応 × ×

こうして比較すると、家具やロールスクリーンは「一時的な間仕切り」としては非常に有効ですが、「完全な個室化」や「性能重視」の用途には限界があることがわかります。生活スタイルや求める快適性に応じて、適切な手段を選ぶことが重要です。

また、賃貸住宅や管理規約の厳しいマンションでは、原状回復が容易な家具・ロールスクリーンが推奨される一方、長期的に見れば費用対効果や快適性の観点から、しっかりとした造作壁を検討する価値もあります。代用手段でカバーしきれない課題が見えてきた場合には、部分的なリフォームや業者への相談も視野に入れることをおすすめします。

 

壁設置との費用差・効果差を徹底比較表付き

間仕切りの方法を選ぶ上で、多くの方が気にするのが「費用対効果」です。家具やスクリーン、リフォーム壁といった選択肢の中で、それぞれの導入コストと得られる効果にはどのような違いがあるのでしょうか。ここでは具体的な金額と性能の差を、視覚的に比較できる表を用いて明確に解説します。

まず、費用面を整理すると以下のようになります。

方法 初期費用の目安 維持コスト 工期 主な設置対象
家具 約2~8万円 ほぼ不要 即日 ワンルーム、子供部屋
ロールスクリーン 約5千~3万円 年1回程度の交換 即日 キッチン、寝室の目隠し
リフォーム壁 約13~40万円 メンテナンスあり 2~5日 書斎、寝室、介護部屋

表からも分かるように、初期費用に大きな差があることが明白です。家具やスクリーンは数万円で済むのに対し、リフォーム壁は10万円を超えるケースが多くなります。ただし、リフォーム壁は防音性・耐久性・デザイン性に優れており、長期的な居住快適性を考慮すると費用に見合った効果が得られます。

では、それぞれの効果を「機能性」の観点からも見てみましょう。

項目 家具 ロールスクリーン リフォーム壁
防音性能 低~中
耐久性
断熱性
美観・デザイン性
カスタマイズ性 高(電気配線含む)

このように、家具やスクリーンはあくまで簡易的で短期的な使用に適した手段であるのに対し、リフォーム壁は「本格的な空間分離」を目的とした場合に最も有効です。特に、防音や断熱といった快適性を重視する場合や、家族構成の変化に伴う長期利用を想定している場合には、リフォーム壁の選択が強く推奨されます。

また、間取り全体の利便性を考慮した際には、リフォーム壁によってドアの設置や収納棚の造作も可能となり、生活動線の最適化にも寄与します。たとえば「引き戸を壁にする」施工や「室内ドアの後付け」など、住まいの快適さを高めるためのリフォームは、費用以上の価値を生み出す可能性があります。

 

実際の施工事例とビフォーアフター!

子供部屋を分けた成功事例 費用・工期・素材の実例

子供の成長とともに、プライバシーや生活リズムの違いを尊重した空間づくりが求められる中、リフォームによって「1部屋を2部屋に分ける」事例が増加しています。ここでは、実際に間仕切り壁を新設して子供部屋を分けた家庭の実例をもとに、費用、工期、使用素材、施工方法などを詳しく解説します。

今回紹介するのは、東京都内にある築15年のマンションに住む家庭の事例です。兄弟で共有していた約10畳の洋室を、学齢の違いや生活時間のズレに対応すべく、それぞれ独立した子供部屋にするための壁設置リフォームを実施しました。

まず最初に行われたのは、間取りや寸法、天井高、コンセントや照明の位置などを踏まえた現地調査です。この段階で重要なのは、エアコンの配置や自然光の入り方、防音性の確保といった生活快適性に直結する要素をしっかり把握することです。

次に施工に使用されたのは、軽量鉄骨(LGS)を下地にし、その上から石膏ボードを貼り付け、最終的には既存の壁紙に合わせてクロスを張るというスタンダードな造作壁仕様です。必要に応じて、石膏ボードの内側に吸音材や断熱材を挿入することで、防音性能と断熱効果も向上させることができます。

工期については、現場調査から完工までを含めて4日間。内訳は以下の通りです。

工程内容 日数 補足事項
現地調査・打合せ 1日 間取り確認、要望ヒアリング
資材搬入・下地施工 1日 軽量鉄骨下地+コンセント配線対応含む
石膏ボード+クロス貼り 1日 防音材設置含む、クロス選定あり
引き渡し・最終チェック 1日 建具確認、清掃、追加指示の最終確認など実施

総費用は約28万円。内訳としては、以下のようになります。

  • 壁設置工事費:20万円
  • 材料費(LGS・石膏ボード・クロスなど):5万円
  • 電気工事(照明・コンセント増設):3万円

なお、費用は使用する素材や壁紙のグレード、オプション(防音材・吸音ボード・遮音パネル)によって大きく変動する可能性があります。

この家庭では、壁を設けたことで「兄弟同士のストレスが激減した」「集中できる学習環境が整った」「照明の好みに応じた設定ができるようになった」といった定性的な満足度が非常に高く、リフォームの効果が明確に感じられる結果となりました。

また、子供部屋の分割によって将来的にライフスタイルが変わった際にも、再び壁を撤去して一部屋に戻せるよう、設計段階で“可逆性”を重視した造作計画が採用されていた点も注目です。これは、「壁を作る=完全固定」というイメージではなく、“暮らしの変化に対応できる”柔軟性ある設計が今後ますます重視されるという方向性を示す好例です。

 

SOHOスペース設置例 防音パネル施工の工夫

コロナ禍以降、在宅勤務の浸透によりSOHO(Small Office Home Office)スペースを求める声が高まる中、「自宅の一角に防音性を備えた小規模ワークスペースを確保したい」というニーズが拡大しています。ここでは、実際に間仕切り壁+防音パネルを活用し、リビング内に快適なSOHO空間を設置した事例を紹介します。

対象となったのは、神奈川県内の築11年・戸建て住宅にお住まいの共働き家庭です。リビングダイニングの奥(約8畳)を有効活用し、執務スペースとして独立させるため、3面の間仕切り壁を新設。出入りは引き戸を採用し、遮音性と通気性のバランスを取った設計がポイントです。

最大のテーマとなったのは「音」と「視線の遮断」。特にWeb会議が頻繁な業種では、生活音や家族の動きが業務の妨げになりやすいため、防音性能の確保は極めて重要です。

以下に使用された建材および施工内容の特徴をまとめました。

項目 内容
壁下地 木材(SPF材)+吸音ウール内蔵
仕上げ材 防音石膏ボード+遮音シート+ビニールクロス
建具 引き戸(ソフトクローズ付き)
床音対策 ゴムマット+フローリング仕上げ
天井部の処理 吸音天井材設置(リブ天井仕様)
コンセント・照明追加 USB対応電源2口、LED調光式照明、換気扇設置

施工期間は約5日間。音響シミュレーションに基づいた施工計画を立てたため、性能と快適性のバランスが取れた空間が実現しました。

トータルの費用は約42万円。特に遮音シートや吸音素材、遮音建具の導入がコストを押し上げる要因となりますが、その分得られた静音効果は非常に高く、「生活音が激減し、Web会議中でも集中力が維持できるようになった」という感想が寄せられました。

ポイントは以下のようになります。

  • 作業スペースの独立性と集中力を確保
  • 配線や換気など執務に必要な機能も完備
  • 半日以上の作業が日常的な業務でも問題なし

施工時には、配線や電気工事も同時に対応したことで「後からの手直しが不要」というメリットも生まれ、トータルの満足度は非常に高い結果となりました。

この事例からわかるように、SOHO空間の設置は「ただ仕切る」だけでなく、生活空間と業務空間を切り分ける“空気感”を創出するという点で、壁材選びや防音処理の工夫が不可欠です。特に、現代のライフスタイルにおいて“家の中にもう一つの役割を持たせる”施工事例は、今後さらに増加することが予想されます。

 

まとめ

部屋に壁を作るリフォームは、空間を自在に設計し直せる実用的な手段です。子供部屋を分けたい、SOHOスペースを確保したい、防音性能を上げたいなど、家庭ごとのニーズに対応できます。施工方法や設置場所によって費用や工期が大きく異なり、選ぶ壁材や工法、間取りの複雑さに応じて必要な準備も変わってきます。

工期は簡易施工なら1日、しっかりとした造作壁であれば2~3日が目安です。費用だけでなく、遮音や断熱、配線やコンセント対応まで見積もりに含まれているかを確認することが失敗を避けるカギとなります。

想定外の追加費用がかかるのではと不安な方も少なくありませんが、記事で紹介した施工事例やプロの視点を参考にすれば、必要な工程とコストを明確に把握することができます。この記事では、プロが実際に対応した事例や壁材の選び方、防音施工の工夫まで詳しく解説しています。

住まいに合った最適なリフォームを実現するためには、予算だけでなく「どんな空間を作りたいのか」という目的を明確にすることが重要です。放置している間に快適な空間づくりのチャンスを逃さないよう、ぜひ具体的な計画を立ててみてください。

 

よくある質問

Q. マンションや賃貸住宅で壁を作る際の注意点はありますか?
A. マンションや賃貸でのリフォームは、管理規約の確認が最優先です。間仕切り壁の設置にあたっては、管理会社や管理組合への事前申請が必要な場合が多く、工事内容や工期、使用する壁材の種類まで詳細に記載する必要があります。また、遮音性や防音性能を高める施工を行う際には、上下階や隣接住戸への影響も考慮し、遮音等級D-50以上の壁材を使うことが推奨されています。

Q. 家具やロールスクリーンで代用するのと、壁を作るリフォームでは何が違いますか?
A. 家具やロールスクリーンでの間仕切りは工事不要で費用も抑えられますが、遮音性やプライバシー確保の点では限界があります。例えば、ロールスクリーンは設置費用が1万円〜3万円程度と低価格ですが、防音効果はほとんど期待できません。一方で、リフォーム壁は完全に空間を区切ることができ、集中力や睡眠の質向上、収納の拡張にもつながるメリットがあります。機能性とコストのバランスを見て判断しましょう。

Q. 子供部屋を分けるために壁を作るとき、どのくらいの工期がかかりますか?
A. 子供部屋を2つに仕切るリフォームの工期は、簡易な壁設置であれば1日〜2日、防音・断熱処理を含む本格的な壁工事であれば3日〜5日が目安です。施工前には電気工事やコンセントの増設、下地材の施工なども必要となるため、事前に施工計画と工程表を確認することが大切です。素材によっても工期は変わりますが、壁紙やクロスの仕上げも含めて1週間以内で完了することがほとんどです。

 

会社概要

会社名・・・株式会社アイライフホーム
所在地・・・〒880-0841 宮崎県宮崎市吉村町寺ノ下甲2270-3 オーシャンハイツ1F
電話番号・・・0985-89-5519

投稿日:2025年6月12日

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